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生涯医療費の半分は70歳以降に使われている
長寿社会は喜ばしいことではあるものの、長生きすればそれでよいというわけではないのは当然のことです。“健康長寿”という言葉があるように、健康を維持したままの長寿、つまり自立したまま寿命を迎えるという幸せな長生きでありたいと多くの人が願っているはずです。血圧や血糖値が高めの状態であって、治療を受けていても大きな病気にならなければ、それほど多くの医療費はかからないことになります。 しかし、日本人の生涯
超高齢社会の認知対策のポイント
健康づくりというと、足腰や内臓などの身体的な状態だけでなく、脳機能の健康も重要な関心事となっています。調査結果(2012年統計)によると、認知症患者は462万人、認知症の予備群である軽度認知障害患者は400万人と推定されていて、合計862万人は65歳以上の4人に1人の割合となっています。このまま進めば2025年には認知症患者は700万人、軽度認知障害患者は600万人を超えると推定されています。そん
超高齢社会を支える女性の高齢化が問題だ
超高齢社会の支え手といえば、本来なら男女ともに同じでなければならないはずです。しかし、いまだに中高年の女性が介護などの主流となっているのは事実で、女性ばかりに頼ってはいられないという考え方は75歳以上の後期高齢者の急増の実態を見れば、当然のことです。男女ともに超高齢社会の支え手にならなければならないといっても、現実は、そうなっていないことは充分に承知しています。 今でも中高年の女性に頼る部分が大
高齢者は65歳以上でよいのか
高齢者は65歳以上と定義されています。65〜74歳が前期高齢者、75歳以上が後期高齢者と分類されていますが、この分類でよいのか、そもそも高齢者は65歳以上でよいのかという議論は以前からありました。2018年3月に後期高齢者が前期高齢者の数を超えるという、まさしく超高齢社会に突入した時代には、高齢者の定義について、さまざまな意見が出てくるのは当然のことです。 高齢者を65歳以上とするようになったの
五里霧中は国民年金のことなのか
先が見えなくて不安になることを表す四文字熟語は、通常なら「五里霧中」が正解となるところですが、「国民年金」と答えて大爆笑を取るお笑い芸人がいます。国民年金は100年安心というのは制度が続くという話で、現在の年金支給額が今のまま続くという意味でも、物価に応じて上昇するという意味でもなく、それどころか定年後に年金以外に2000万円以上が必要という話も随分と広まってきました。 しかし、制度の根幹となる
“超高齢化社会”の高齢化率は?
高齢化社会、高齢社会という言葉と並んで超高齢化社会という言葉が使われることがあります。それぞれの高齢化率は、どれくらいなのかという質問を雑誌記者から受けました。“超高齢化社会”という言葉は、よく聞かれることですが、今は正式な言葉としては使われていません。“今は”ということは以前は使われていたということですが、使っていたのはメディアです。そのときの呼び名と高齢化率を引き出してみると、高齢化社会は65
コップ1杯の水で便通は改善されるのか
朝に目覚めたときには、コップ1杯の水を飲むと便通がよくなると昔から言われてきました。そのことをテレビ番組で紹介していた便秘外来の専門医が、「大腸の水が増えて便が軟らかくなるから」という説明をしていたのには驚きました。その説明を信じるなら、飲んだ水が、そのまま大腸にまで届くような印象ですが、そんなことはないはずです。 1日に体内に入ってくる水は、飲み物と食べ物に含まれているもので約2000ml、そ
便通をよくして活性酸素を減らす
「便秘は活性酸素を増やす」ということを紹介したところ、詳しく教えろ、という反応がありました。「便秘になる→悪玉菌が増える→毒素が増える→毒素が大腸壁から吸収される→毒素が血液中に入る→肝臓に運ばれる→肝臓で分解されるときに活性酸素が発生する」といった流れになり、便通が悪くなると活性酸素を増やすことになります。 質問に対しての返答は、これで終わりになるのですが、取って返す刀の勢いで、次のような返答
大腸の治療時にはフルーツは禁止なのか
大腸の内視鏡検査のときには食物繊維の不溶性食物繊維も水溶性食物繊維も摂らないようにする意味を前回、説明しました。それに対して、「大腸の術後にも水溶性食物繊維を摂ってはいけないと思っていた」という声がありました。食物繊維は大腸の粘膜の大腸壁を強く刺激するということが言われるのですが、強く刺激をするのは胃では消化されず、そのまま小腸を通過して大腸まで運ばれていく不溶性食物繊維のほうです。 水溶性食物
青汁は大腸検査の前に飲んでもよいのか
大腸の内視鏡検査の前には、大腸に余計なものが残らないように、つまり内視鏡で腸壁を全部見通せるように、食べるものが制限されます。通常なら便が残らないようにするためには食物繊維を多く摂って、腸壁を刺激して便通を促進するところですが、内視鏡検査の前夜には便通を促進する薬が出されるので、食物繊維に頼る必要はありません。それどころから、食物繊維があると便が軟らかくならなくなって、大腸内に便が残ることにもなり