生活習慣病対策の行動変容では、特定健診・特定保健指導の実施の影響もあって、食事と運動について実施されることが多くなっています。身体の状態(身長、体重、年齢、身体活動)から個人に適した摂取エネルギー量を計算して、これよりも食事量が多いなら減らすようにする、食事だけで減らすことが難しい場合には消費エネルギー量に合わせた運動をすることがすすめられます。
余計なものを食べないことが行動変容の基本となるものの、これまで続けてきた食事を変えるのは難しいことであり、ただ食べ過ぎや高エネルギー量のものを減らすことを指導されても、指導どおりに実施するのは大変なことです。
そこで、自分自身の行動を知って、それを一つずつ見直していくことが指導されます。なぜ食べないと決めていたのに食べてしまったのかということを自問して、自ら考え、自ら答えを導き出すというのが行動変容の目的です。
スナック菓子を例に進めると、食べてしまったのは菓子が目の前にあったのが原因で、なぜ目の前にあったのかというと、保存しておく戸棚からテーブルの上に出していたことが考えられます。保存しておいたから取り出したのであって、買ってこなければよかったことになります。
なぜ余計なものを買ったのかというと、お腹がすいているときに買い物に行ったからで、どうしても空腹時には食べたくなって買いすぎることもあり、満腹状態で買い物に行ったとしたら菓子は買わなかったはずです。
自分で買わないとしても誰かが買ってくることもあり、もらうこともあります。それは生活習慣病の予防や改善のために食べないようにしていることを伝えていなかったことが一つの要因です。
食べないものをもらったとしたら、捨てればよいはずなのに、それができなかったのは、いつか食べるという気持ちや禁止されていても食べてしまったことがあったということが目立っています。
どこに問題があるのか、どこを改善すれば余計なものを食べるようなことにならなかったのかを考え、それを実施するのが行動変容の基本となります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕