食生活チェック表は、自分が1週間に食べたおかずの回数をチェックするだけで食傾向と栄養摂取のバランスを見ていくためのものですが、その回答編としてチェック項目を3色に色分けしたチェック表を用意しています。これは指導する人の便利ツールとして作っているもので、3色は信号機を意識して赤・黄・青としてあります。色による判定は、赤は改善指導、黄は注意喚起、青は合格と、一応の色分けになっています。
“一応の”と断ったのは、そのまま判定して、解答を告げればよいわけではないからです。摂取エネルギー量が多いものを数多く食べていると、過剰摂取の心配はあるものの、その食品が悪いわけではありません。飽和脂肪酸が多い肉類を毎日のように食べているからといって動脈硬化のリスクが急に高まるわけではありません。飽和脂肪酸が多い牛肉の摂取そのものがいけないわけではなくて、食べる量、食べる回数が問題になるだけです。
食生活チェック表では、食品の種類を聞いているだけで、どれくらいの分量を食べているのかについては、特に注意をしたほうがよいものを除いて、回答欄(チェック項目)は設けてありません。そのような食品があったときに、初めて分量を聞くようにしています。指導に必要のない項目まで分量を記入してもらうのは回答者にとっては手間がかかることであり、聞いてみても、あまり指導のときに役に立たないことが多いからです。
赤の回数は、できるだけ青の回数に変えていくことが健康の維持・増進には大切なことであっても、急に食の傾向を変えるのは難しいことです。急な変更は食生活のパターンを乱すことになって、かえって続かないことになるので、まずは赤を黄に変更して、それに慣れてくたら青に変更するように心がけています。
変更すべき赤が多かったときには、すべてを変えるのは負担になることから、急を要すると判断したものから順番に変えるように促します。そのために、食生活チェックは一度指導を受ければよいというわけではなくて、徐々に変更したほうがよい人の場合は2〜3か月ごとにチェックすることも必要になる場合があります。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)