ビタミンが豊富な食品といえば野菜が思い浮かべられます。日本人は、かつては野菜の摂取量が多くて、野菜に多く含まれる食物繊維のおかげで便通がよくて、大腸がんが少ない国民とされてきました。それに対して大腸がんが多い国としてあげられていたのがアメリカです。野菜不足の影響から脱しようと国をあげて対策に取り組んできたことから、状況が随分と違ってきました。
日本人の野菜の摂取量は1年間で107kgで、1日あたり約293.6gとされてきました。厚生労働省は「健康日本21(第二次)」で、野菜を1日に350g以上食べることを目標として掲げました。
あと57gほどなら、頑張って食べることができそうな分量ですが、増えることを期待されていたのに、違った結果が現れました。「国民健康・栄養調査」(令和元年)では、男性が288.3g、女性が273.6gと逆に減る結果となっていたのです。調査対象のうち350gを超えていたのは男女ともに30%ほどで、野菜摂取が少ない20代と30代の女性では14.8%という結果でした。
それに対してアメリカでは、1週間の便通回数が平均で4回と少なく、これが大腸がんの原因となっていることを訴えて、野菜を多く摂ることがすすめられました。日米で比較すると、かつては野菜の摂取量が多かった日本は1993年にアメリカに超えられて、それ以降はアメリカが増える方向で、日本は逆に減ることとなりました。現在ではアメリカの1人あたりの年間野菜摂取量は113kgとなり、1日あたり310gとなっています。
この差は、食物繊維摂取量に限らず、ビタミン、ミネラルの摂取量も多くなっているからですが、アメリカではサプリメントの摂取は相変わらず多く、それを合わせたビタミンの摂取量となるとアメリカに大きく差をつけられているのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)