ダイエットの基本は、それぞれの人に適した摂取エネルギー量を知ることですが、どれくらいの食事が適切なのかということは、なかなかわかりにくいことです。食事として食べるものはg(グラム)という重量で示されることが多くて、ダイエットで減らすべき体重も重量で示されます。
食事の重量と減らすべき体重が一致していれば、こんなに簡単なことはありません。1kg (キログラム)は1000gですが、1000gの食事を減らせば体重が1kg減るということではありません。ご飯は普通茶碗1杯が150gです。1000gを減らすためには7杯弱の分量になります。これは2日分くらいの主食の分量になります。では、ご飯を2日間、食べなかったら1000gの体脂肪が減るのかというと、これは脂肪を代謝させる筋肉の量や活動量によって違ってくるので、1000g以上の人もいれば1000g以下の人もいます。
減らしたいのは筋肉ではなくて体脂肪(内臓脂肪、皮下脂肪)ですが、ここで計算に登場してくるのはエネルギー量のkcal(キロカロリー)です。脂肪は1gあたり約9kcalのエネルギー量があります。体脂肪は20%が水分なので、1000gでは約7200kcalとなります(9kcal×1000×80%)。
ご飯は普通茶碗1杯が約200kcalのエネルギー量です。7200kcalは茶碗36杯分にもなります。1日に3回、ご飯を1杯ずつ食べたとすると12日分の量となります。重量でみたときには2日分ほどだったのに、実際には、その6倍の差があります。
1日の男性の食事量は2400kcalほどであるので、7200kcalだと3日分の食事の総エネルギー量となります。どれだけの食事量になるのかは、エネルギー量で考えないと見誤ってしまうということです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)