ダイエットをデザインするという考えは、慶應義塾大学スポーツ医学研究センターの山下光雄先生の発案です。山下先生は慶應義塾大学病院の食養管理室の出身で、日本臨床栄養協会の副会長を務め、複数の大学で教授として栄養管理についての教育にも携わってきました。慶應義塾大学スポーツ医学研究センターでは発足時から研究員・非常勤講師として活動をして、100kcal単位での栄養指導をスポーツ選手にも通院する患者にも行ってきました。
山下先生とは、民間の研究所で一緒に主任研究員として在籍していましたが、日本100キロカロリーダイエット協会という普及のためのNPO法人(特定非営利活動法人)を設立したときに、初代の理事長は私で、山下先生は2代目の理事長でした。
このコラムのテーマの「Diet Designer」(ダイエットデザイナー)は100kcal単位の食事を普及するときに講習のタイトルとしてあげたのが始まりです。講習のタイトルなら「Diet Design」(ダイエットデザイン)のほうがふさわしいようですが、そのときには覚えた知識をデザイナーのように使って、多くの人に普及してほしいということで命名しました。
ダイエットというと食事だけでなく運動も必要です。食事と運動のバランスが取れてこそのダイエットであり、食事と運動の両方が指導できてこそのデザイナーだと思います。それが食事だけでダイエットデザイナーと名付けたのは、この活動に参加したメンバーが臨床栄養の出身だったからです。
臨床栄養は英語では「clinical nutrition」となりますが、病院給食では「clinical diet」「hospital diet」として使っていました。この場合のダイエット(diet)はやせるという意味ではなくて食事療法を指しています。日本臨床栄養協会の機関誌は『New Diet Therapy』といいます。
ここから発展して、今では健康的なダイエットを支援するということで、食事と運動の両面の知識があるダイエットデザイナーの養成に取り組んでいます。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)