濃い味だと食べすぎる

寒い地域の料理の味付けが濃いのは塩分が多く使われているからですが、濃い味によって主食のご飯を多く食べるための方法です。
1日に使われるエネルギー消費量の約70%を占める基礎代謝のうち約80%は生命維持に必要な体熱を発生させるために使われています。ご飯に含まれるブドウ糖は早く消化され、エネルギーとなるのも早いことから、ご飯を多く食べることで体熱を多く発生させ、寒さを乗り切るために、おかずの塩分が濃くなったといわれています。
濃い目の味付けの料理では、ご飯の量が多くなりがちです。日本食の食べ方は、「口中調味」といって、おかずを口に入れ、味が濃かったらご飯を口に入れて、逆に味が薄かったら味噌汁を口に入れる、というように一口ずつ、自分の好みの味に調整しています。そのため、味が濃い料理を食べたときには、どうしてもご飯の量が多くなりがちです。
ご飯が多くなると血液中のブドウ糖が増えて、血糖値が上昇して膵臓から分泌されるインスリンの量が多くなります。このインスリンによって肝臓では脂肪合成が進み、脂肪細胞に蓄積される脂肪が増えるので、食べすぎを抑えるために味付けには薄味が求められます。
 薄味に慣れるために何をすればよいかということですが、舌の構造と味覚の特徴を活用することです。舌で味を感じる味蕾のうち、塩味は表面で感じます。舌に塩が触れることで塩味を感じするので、肉や魚は食べる前に塩を振るという工夫が有効になります。煮込んでしまうと肉や魚の中に塩が染み込んで、食品に多く含まれている割には、塩味を感じにくくなります。汁物の場合は出汁(だし)を多くする、味を濃く感じる香ばしさ(焦げ味)を活かす、柑橘類の酸味を加えるといった工夫でも、薄い塩味をおいしく味わうことができるようになります。

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