030 エネルギー代謝とコエンザイムQ10

細胞内のミトコンドリアには、α‐リポ酸の働きによって糖質(ブドウ糖)が取り込まれ、L‐カルニチンの働きによって脂質(脂肪酸)が取り込まれます。ブドウ糖も脂肪酸もピルビン酸を経てアセチルCoAに変化してからミトコンドリア内のTCA回路での代謝によって、エネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)が作り出されます。ATPが作り出されるときには酵素が必要ですが、酵素は補酵素がなければ働くことができません。そのエネルギー代謝の補酵素の役割をしているのがコエンザイムQ10です。
酵素はエンザイム(enzyme)といい、補酵素はコエンザイム(coenzyme)といいます。コエンザイムには側鎖があり、側鎖が10個あるものがコエンザイムQ10です。一般にはコエンザイムQ10はユビキノンとも呼ばれますが、コエンザイムQ10には酸化型と還元型があり、狭義では酸化型はユビキノン、還元型はユビキノールと呼ばれています。
酸化型コエンザイムQ10はビタミンCなどの還元物質によって肝臓で還元型コエンザイムQ10となり、エネルギー代謝の補酵素として働きます。
コエンザイムQ10は他の三大ヒトケミカルと同様に、体内で合成されるものの20歳をピークに減少し続け、加齢につれて代謝が低下していく要因となっています。医薬品成分から食品成分としての使用が許可されており、サプリメント成分として補うことで、糖質代謝と脂質代謝を高めることができます。