エネルギー源は糖質、脂質、たんぱく質の三大栄養素で、これらが代謝に使われるときにはブドウ糖、脂肪酸、アミノ酸に変化して細胞のミトコンドリアに取り込まれています。エネルギー代謝には、代謝が早いブドウ糖が先に使われ、エネルギー量が多く長く代謝を起こすことができる脂肪酸が次に使われます。たんぱく質は身体を構成する成分で、そのたんぱく質を構成するアミノ酸は重要であることから、ブドウ糖と脂肪酸が不足したときにアミノ酸がエネルギー源として使われることになります。
基本的に全身の細胞はブドウ糖、脂肪酸、アミノ酸のどれでも使うことができるのですが、脳細胞だけはブドウ糖しか使うことができません。ブドウ糖は脳の唯一のエネルギー源となっているわけです。糖質の摂取量が少なかったり、空腹時間が長くなりすぎるとブドウ糖が不足して脳細胞がエネルギー切れを起こすようになります。一般には脳細胞でのブドウ糖の保持時間は15時間とされています。夕食を食べて次の朝食までは12時間ほどなので大丈夫ですが、朝食を抜くと昼食前にはブドウ糖が大きく減って、脳の機能が低下することにもなります。
体内にはたんぱく質を分解してブドウ糖を作り出す糖新生の仕組みがあるので、脳が完全にエネルギー切れになることはありません。しかし、糖新生は極端なエネルギー不足の場合の危機回避の仕組みです。また、分解されるたんぱく質の多くは身体を構成する成分なので、身を削って脳のためのブドウ糖を作り出すことになるので、健康維持にはすすめられることではありません。