040 ポリフェノールは抗酸化成分の代表格

ポリフェノールといえば今では活性酸素を消去する抗酸化成分として常識的に知られています。一般に広く知られるようになったのは1995年のことで、その火付け役となったのは医学博士の板倉弘重先生です。板倉先生は国立健康・栄養研究所の臨床栄養部長であったときに、赤ワインを多く飲むフランス人は脂肪が多い食事をしていても動脈硬化になる人が少ないことから、赤ワインの健康効果を研究して、赤ワインに多く含まれるポリフェノールに、その効果があることを発見して発表しました。
これが赤ワインブームのきっかけで、白ワインの売り上げは変わらなかったのに、赤ワインの売り上げは1.5倍にもなりました。血管の健康を保つために、アルコールに弱いのに赤ワインを飲む人が増えて、かえって健康によくないと言われたこともありましたが、今ではポリフェノールが多く含まれる色鮮やかな食品を食べると活性酸素の量が減って、老化が防がれることが常識として広く知られています。
ポリフェノールは紫外線が強いところで育つ植物の中に多く蓄積されます。ポリフェノールは、たくさん(ポリ)のフェノールという意味で、植物に含まれる色素や苦味の成分です。カテキン(ワイン、緑茶、リンゴ、ブルーベリーなど)、アントシアニン(ブドウの皮、紫いも、ブルーベリーなど)、タンニン(緑茶、赤ワイン、柿、バナナなど)、イソフラボン(大豆など)、クロロゲン酸(コーヒー)、エラグ酸(イチゴ)、リグナン(ゴマ)、クルクミン(ウコン)などの種類があります。
活性酸素によって細胞が破壊されたのでは生き延びることができないので、ポリフェノールを多く蓄積して活性酸素を消去するわけですが、私たちは、そのポリフェノールを食べ物からもらって健康を維持することができるのです。