食べる順番ダイエットの「食べる順番」という言葉を聞いて学校給食を思い浮かべるのは、かなり年齢の人かもしれません。昭和30年代に学校給食が全国で始まりました。初めは牛乳給食という名で、お弁当を持参して、牛乳が配られていました。牛乳といっても今のおいしい牛乳ではなくて脱脂粉乳でした。初めての給食はパン、牛乳、おかずが三角形の配置に並べられて、パサパサのコッペパンを食べ、牛乳を飲んで流し込み、おかずを食べるという順番で、一口ずつ何周か繰り返して食べ終えるように教師から言われ、その通りにお行儀よく皆が食べたものです。
その後には順番は強制的ではなく、パンを中心にして、おかず→パン→牛乳→パン→おかずというパターンになり、これはご飯の食べ方に合わせたものです。トレーに並ぶ品数は4つに増え(主食、主菜、副菜、飲み物)、これにデザートが加わることもあります。この行き来する食べ方は「稲妻食べ」と呼ばれています。稲妻食べは、ご飯などの主食とおかず、汁物などを交互に食べることで、箸がジグザグに行き来する形から名づけられました。ゆっくりと食べることを身につけるとともに、ご飯などを食べながらおかず、汁物・飲み物を口に入れることで、味の調整をしながら食べる口中調味を身につけることも目的とされています。
このような食べ方をするように言われるようになった背景は、いけない食べる順番とされる「棒食い」をする子供が増えたからです。片方が「食べ」で、もう一つが「食い」と名付けられたのは「食い」のほうが下品という印象もありますが、端から順番に食べていくものです。棒食いは1皿ずつ食べていく食べ方で、好きなものばかりを食べる食習慣となりやすいことから改めるように言われます。1皿ずつ食べるのは洋食の基本的な食べ方で、むしろマナーに合った食べ方とされることもあります。茶碗を持って食べる和食の食スタイルをすすめるために棒食いが禁止された側面もあります。
食べる順番ダイエットでは、まずサラダか汁物を食べて、次におかずを食べることによって、食物繊維による脂肪吸収抑制効果を得て、最後にご飯を食べるというのが基本となっています。糖質を最後に食べることによって血糖値が上昇しにくいようにするわけですが、ただサラダや汁物で野菜を先に摂っても、食物繊維の量が少なくては効果が得にくくなります。
食物繊維が多く含まれる野菜などをたくさん食べたら、その次の主菜の肉や魚、主食のご飯やパンなどが多く食べられなくなるので、先に野菜を多く食べることがすすめられています。