ダイエットには酵素が重要で、酵素食品にはパイナップルが使われています。かつて人気となったパイナップルダイエットの理屈は、酵素の働きに関係しています。パイナップルダイエットをやったために太った人も少なくありません。効果のあるダイエットに取り組んでいるから、安心して他のものを多く食べてしまったということではなくて、そもそもパイナップルダイエットのやり方を充分に理解していなかったために太ったということです。
パイナップルには消化酵素がたくさん含まれていて、たんぱく質を分解する働きがある酵素なので、肉を軟らかくして、おいしく食べるために肉料理に使われます。有名なところでは酢豚で、これは日本人が考え出したという説と中国に昔からあるという説があって、まだ結論は出ていないようです。
消化酵素が多くて充分に消化されたら、それだけ吸収されやすくて太るのではないかという危惧がないわけではありません。これがパイナップルダイエットとなると、パイナップルを食べて、他の食事は少し減らすだけという方法なので、これなら太る心配はないということでヒットしました。ところが、逆の結果となった例もあるわけです。
パイナップルダイエットはパイナップルの酵素を活用するので、少なくとも酵素が生きたままの状態のものを食べなければ意味がありません。酵素が生きているのは生の状態で、加熱をしたら酵素が壊れてしまいます。酵素はたんぱく質で、温度が42℃を超えると壊れます。ちなみに体温計の温度が42℃までしかないのも、それ以上の温度になると身体を構成するタンパク質がゆで卵のように固まってしまうからです。
パイナップルダイエットで失敗のもととなったのは缶詰のパイナップルでした。缶詰のパイナップルは生の状態ではないことに加えて、シロップ漬けにしてあるので甘くておいしくて、これでやせられるなら嬉しいのですが、そうはいかないということです。