049 コンニャクは水溶性食物繊維なのか

ダイエットにコンニャクは有効で、水溶性食物繊維が脂肪を吸着して排泄してくれるということがテレビの健康番組で取り上げられてから、タッパウエアにコンニャクを入れて持ち歩き、ケーキを食べる前にコンニャクを食べるという人もかなりいました。
そのコンニャクは以前は水溶性食物繊維の代表でしたが、今では食品を説明する書籍の中から水溶性食物繊維であることは徐々に外されています。というのは、凝固剤を使って固めたコンニャクは水溶性食物繊維の性質が失われて、不溶性食物繊維と同じ状態になってしまうからです。
コンニャクはコンニャクいもを乾燥させて粉にしたものが材料で、これを水に溶かしてから凝固剤を加えて固まらせます。コンニャクというと板コンニャクの他に糸コンニャクやしらたきがあります。糸コンニャクは固めたコンニャクをトコロテン方式に押し出すか細く切ったもので、しらたきは充分に固まっていない状態で穴から流し出して固めるものです。製法は違っても中身は変わりがありません。
コンニャクが口から入った後に、どのように変化するかは胃カメラで見ることもできますが、今ではカプセル内視鏡が使われます。これはカプセルに入った小型カメラで、口から入れると胃、小腸、大腸を通過して最後は便と一緒に出てきます。このカプセル内視鏡を洗って持ってきた患者がいると検査医から聞いたことがありますが、撮影したデータは電波で飛ばして外部の装置に記録されるのでトイレで流してしまってよいのです。
このカプセル内視鏡を使ってコンニャクがどうなるのかを見たところ、何も変化しないで胃から小腸を通過していきました。まさに不溶性食物繊維と同じ結果です。
コンニャクダイエットが一時期流行したことがあります。これは粉コンニャクを水とともに飲むことで、水溶性食物繊維の糖と脂肪の吸着効果、ゆっくりと移動することで血糖値を抑える効果が得られるというものです。コンニャクとダイエットというキーワードから凝固剤で固めたコンニャクを食べてダイエット効果を期待してもダメなのかということですが、コンニャクはエネルギー量が低いので、たくさん食べておなかが膨らんでも太らないという特徴があります。こちらの効果は間違いなくあります。