食べすぎると身体の中で糖が脂肪に変わることは随分と知られてきました。糖質は胃で分解されてブドウ糖になり、エネルギーとして使われなかったものはグリコーゲンに合成されて、筋肉や肝臓に蓄積されます。グリコーゲンはブドウ糖が結合したもので、蓄積される量は筋肉と肝臓を合わせて300gほどです。それを超えたブドウ糖があると肝臓の中で脂肪に合成されて、これが脂肪細胞の中に蓄積されます。その量が多くなると太ることになるわけです。
グリコーゲンは多くのブドウ糖が結合したもので、ブドウ糖が肝臓で合成されて作られます。ブドウ糖がネックレスのように長くつながり、枝分かれした構造になっています。肝臓の重量の約8%(大人で100〜120g)、筋肉には1〜2%しか蓄積できないことから筋肉量が多い人はグリコーゲンを多く蓄えることができます。筋肉の中に蓄積されたグリコーゲンは筋肉を動かすためのエネルギーとして使われます。
どれくらいの脂肪がたまるのかというと、糖質100gが28gの脂肪となることがわかっています。重量では28%の変化となるわけですが、エネルギー量ではもっと多くなります。糖質は1g当たり約4kcalで、脂質は1g当たり約9kcalと2倍以上となっています。400kcal(4kcal×100g)の糖質が252kcal(9kcal×28g)の脂質となり、63%にもなります。
この分が蓄積される脂肪になるわけですが、63%というのは全員に共通することではありません。糖質が脂質に変化しやすい体質のβ3アドレナリン受容体遺伝子タイプは日本人の30%ほどが該当していますが、このタイプの人はもっと合成量が増えて蓄積量も多くなります。さらに、このタイプの人は蓄積された体脂肪が分解されにくいという体質も併せ持っています。糖質を食べすぎるとより太りやすくなるので、糖質を減らす食事がダイエットに役立つことになります。
このタイプは1日の基礎代謝量は200kcalほど低くなっているので、運動をしてもやせにくい特徴があります。食事の傾向としては、糖質(炭水化物)のご飯、麺類、パンなどを多く食べがちで、主食でおなかを膨らませて満足感を得るタイプであるため、糖質を減らすことが必要となります。