「水を飲んでも太る」と言う人がいます。人間の身体は60%以上が水で構成されているのだから、その水が増えれば体重が増えるのは当たり前のことです。太るということを体重が増えたことと定義するなら水で太るということになるわけですが、脂肪細胞に蓄積される脂肪の量が増えることだと定義するなら、水を飲んで太ることはないことになります。水にはエネルギー量がないので、余分に飲んだからといって、それが脂肪に変化することもなく、太るはずがないというのが通常の答えです。
水を飲むと代謝が悪くなる、力が出なくなる、集中力がなくなるといって、運動をしている途中には水は禁止ということが過去にはありました。今のように運動科学が進んでいなかったので、指導をしている教師や講師などから「運動中には水を飲んではいけない」と言われると、頭から信じるしかありませんでした。
水を飲むと太るのではなく、むしろ太らないというのが今では正解となりつつあります。全身の細胞は一定の水分量のときに正常に働くようになっています。運動をして汗をかくと皮膚から水分が抜けただけではなくて、その水分は血液から来ています。血液の水分は一定に保たれないといけないので、細胞の中から水分が移ってきます。ということで、汗をかくと細胞の水分が減ることになります。
細胞が正常に働くことによって、細胞の中でブドウ糖や脂肪酸を効果的に燃焼させることができます。つまり、出ていっただけの水分を細胞の中に補ってあげないと、代謝が低下して太ることになるのです。