129 糖尿病改善のスイーツ活用

甘い食べ物は糖尿病患者にも、糖尿病の防止にも大敵とされています。そんな考えの人に、糖尿病の人に甘い食べ物を出すこと、しかも通常の食事にプラスして赤い菓子類を出すことを言うと驚きの反応があり、中には反発も返ってきます。糖尿病は血糖値が上昇する病気で、血糖値は血液中のブドウ糖の量を示す値です。甘い食べ物に含まれているのは砂糖で、砂糖はブドウ糖と果糖が1分子ずつ結合したものなので、甘いものを食事の前後に食べたら血糖値が上昇しすぎることになり、本来なら避けるものだと考えられがちです。
血糖値が上昇しすぎるのは、通常の食事によってブドウ糖が多く含まれる食品を多く食べるからです。食事の量を減らしたとしても、それでは満足できないということで食後のデザートとして砂糖が使われた甘いものを食べるようになります。食事による満足感は、胃の中の充足度で感じるというよりも、脳で感じています。
脳の中にある満腹中枢は血液中のブドウ糖濃度に反応して、食欲を抑制します。本来はブドウ糖が多く含まれたものを食べたときに満腹中枢が働くようになるのですが、食事の前にブドウ糖が含まれた甘いものを少し食べることで血糖値が急上昇して、食事量を減らすことができるようになります。
これを活用したのが糖尿病患者のための“食事前のデザート”です。先に甘いものを食べてから、15分ほどしてから食事を始めるようにします。血糖値が上昇して満腹中枢が働くまでには10〜15分はかかるので、甘いものによって血糖値が上昇してから食事をすることになるので、食事の途中で満腹感を得て、食べすぎないようになるからです。