183 糖質制限とエネルギー制限の効果がある食事タイミング

糖質を大きく減らすか、まったく摂らないようにする糖質制限は、ブドウ糖を摂らないようにすることで血糖値の上昇を抑え、血糖値の上昇につれて分泌されるインスリンの量を減らすことを目指しています。インスリンには肝臓で脂肪の合成を進める作用があるため、結果として脂肪の合成が減り、蓄積される脂肪も減っていくということです。
ブドウ糖は脳の唯一のエネルギー源で、脳の中の保持時間は15時間ほどなので、朝食と夕食にはブドウ糖が含まれた糖質は摂らなければなりません。そのため、糖質制限は昼食にするべきとされています。肝臓で合成される脂肪は、食品の脂肪だけでなく、糖質もたんぱく質も余分となったものは脂肪に合成されます。脂肪の合成が進むのはインスリンが多く分泌される夕食のあとなので、夕食での糖質制限が最も効果が高まることになります。
しかし、寝ている間のブドウ糖は必要なので、糖質、脂質、たんぱく質を減らすエネルギー制限によって、脂肪の合成と蓄積を抑えるのが無理をせずに続けられる方法となります。エネルギー制限は食事で摂るエネルギー量を全体的に減らすことで、糖質とたんぱく質は1g当たり約4kcalのエネルギー量があり、脂肪は1g当たり約5kcalのエネルギー量があるので、エネルギー制限の基本となるのは脂肪を減らすことになります。肉類の脂肪は脂身を除き、鶏肉の場合は皮を除くことから始めます。
朝食と夕食は活動をするためのエネルギーとなるのでエネルギー制限は控えめにして、活動量が少ない夕方以降には脂肪が蓄積されやすいことを考えて、エネルギー制限の食事は夕食にするというのが正しい方法といえます。
夕食は寝ている間と、朝食で摂った食品がエネルギーとなるまでに使われるブドウ糖を補うことが重要なので、糖質を減らすことはあっても、まったく摂らないのは間違いといえます。ご飯にして茶碗で半分、パンや麺類を食べる場合も半分の量を目標にしたいものです。夕食でブドウ糖を多く補給しても15時間ほどで脳の保持量が大きく減ることになるので、朝食ではブドウ糖が多く含まれる糖質(ご飯、麺類、パンなど)を摂る必要があります。制限というのは食べないという意味ではなく、減らすことと考えて、少しは摂るようにします。