3時のおやつは太らない――と言われ、その理由として“BMAL1”(ビーマルワン)があげられています。これは脂肪蓄積たんぱく質で、これが体内で増えることによって脂肪細胞の中に蓄積される脂肪の量が増えていくことが知られています。その増加量が1日の中で最も少ないのが午後3時ころとなっています。BMAL1が午後10時を過ぎると、最も少ない午後3時に比べて20倍ほどにも増えるといわれています。脂肪を摂り込む働きをするたんぱく質なので、それが少ないということは、おやつは脂肪が多めのものを食べても太りにくいことになります。
夕食を食べてから寝るまでの間に空腹を感じた場合にはBMAL1が大きく増えているので、脂肪の多い洋菓子などは食べないほうがよいということがわかります。ただ、午後3時はインスリンを分泌する膵臓の働きが最も活発になる時間帯なので、このときに血糖値が上昇しすぎるとインスリンが出すぎることによって、肝臓での脂肪の合成が進むことになります。
昼食と夕食の間に少しおなかに入れたい気持ちになる小腹が減るような状態になったときには、脂肪は含まれていても、あまり甘すぎるものを食べないようにすることが必要です。小腹が減るというのは軽く空腹を感じる状態を指し、12時に昼食を食べると午後3時のおやつの時間に小腹が減った状態になる人が多くなっています。これは3時間ほどで胃の中のものの多くが腸に送られることと、食事によって上昇した血糖値が下がっていくのに3時間ほどかかることが関係しています。この状態のときには、胃が空っぽになったのではなく、血糖値が下がることによって空腹を感じているので、血糖値が少し高まるように少しだけ甘いものを食べるようにします。
昼食が遅くなっても3時のおやつは太らないのかというと、昼食を12時に食べた場合には午後3時になると血糖値も落ち着いて、BMAL1も少ないので太りにくいということです。昼食が遅くなって、3時のおやつがデザートのようになると、血糖値が大きく上昇して、インスリンが多く分泌されて脂肪の合成が進むので、昼食が遅くなったときには、3時のおやつは我慢するべきです。
午後3時は脂肪の蓄積が少ない時間帯ということで、その限界を超えた量を食べれば、脂肪は多く蓄積されます。というのは、脂肪は重要な生き延びるための蓄積エネルギー源で、身体には次は、いつ食べられるかわからないということで活動するよりも多くのエネルギーが体内に入ってきたときに、脂肪として蓄積する仕組みがあるからです。