食べる順番ダイエットとしては、ベジタブル・ファーストが最も知られています。食物繊維が豊富に含まれている野菜を先に食べておくことで、その後に食べた糖質の吸収が抑えられて、太りにくくなるというものです。野菜を食べるときにドレッシングを使うと、脂肪によって糖質が吸収されにくくなるというメカニズムも紹介されています。食べるものを変えずに食べる順番を変えるだけでやせられるということで、楽に続けられるダイエット法として知られ、実施している人も増え続けているわけですが、これに従うと肉や魚を食べても脂肪によって吸収が抑えられることになります。
実際に肉や魚を食べてからご飯やパンなどを食べると太りにくくなることが確認されています。これにはたんぱく質も影響しているのではないかと研究がすすめられ、ヨーグルトを先に食べるヨーグルト・ファーストが提唱されています。たんぱく質には膵臓から分泌されるホルモンのインスリンを増やす作用があることが知られていて、インスリンが増えることによって細胞に取り込まれるブドウ糖が増えます。ブドウ糖が多いと血糖値が上がって、その分だけ肝臓で合成される脂肪酸が増えることになります。そのため、インスリンを増やすことで太りにくくすることができるというわけです。
もう一つ注目されているメカニズムがあり、それはGLP−1(グルカゴン様ペプチド−1)の存在です。食事をした後には小腸からインスリンの分泌を促進させるホルモンのインクレチンが分泌されます。インクレチンにはGIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)とGLP−1の2種類あり、ヨーグルトに含まれるたんぱく質にはGLP−1を増やす作用があります。これによって血糖値の上昇が抑えられて、太りにくくなるということです。
ヨーグルトというと、朝食のあとにデザート感覚で食べるという人が多いかと思いますが、ダイエットのためには先にヨーグルトを食べることがすすめられ、さらに朝食だけでなく、血糖値が上昇しやすい糖質を多く摂る昼食や夕食の前にもヨーグルトを食べることがすすめられているのです。