212 血糖値スパイクを抑える食事法

食後の血糖値上昇によって分泌されたインスリンが作用しにくいために血糖値が下がらないインスリン抵抗性の人は日本人に多く、これが糖尿病を発症させやすくさせると同時に、体脂肪が増えるようになります。インスリン抵抗性という体質的な問題では、どうにもならないと思われがちですが、その始まりは血糖値が上昇しすぎることで、まずは血糖値が上昇しすぎないようにすることが重要となります。血糖は血液中のブドウ糖であるので、食品の糖質に含まれるブドウ糖の量を減らすことが第一となります。糖質制限をすればブドウ糖の摂取量は減らせるものの、ブドウ糖は重要なエネルギー源なので、絶ってしまうようなことをしてはいけないのは当然のことです。
ブドウ糖の吸収を遅らせる食品としては水溶性食物繊維があげられています。水溶性食物繊維は粘度が高く、ブドウ糖が胃から腸へとゆっくりと移動させる働きがあるので、血糖値が急上昇しにくくなります。吸収されるブドウ糖の量が同じであっても、時間をかけて吸収されると血糖値の急上昇は抑えられます。インスリンは血糖値の上昇レベルに合わせて分泌量が増えるので、血糖値を低めに抑えることができればインスリンの分泌量が減り、膵臓の負担もかかりにくくなります。
糖質が分解されてブドウ糖になる量を抑えられれば、血糖値の上昇を抑えることができるようになります。糖尿病の治療に使われる医薬品のα‐グルコシダーゼ阻害薬は、ブドウ糖に分解させる作用がある酵素のα‐グルコシダーゼの働きを抑えるものですが、これと同じ働きをする成分が含まれている食品があります。主には健康食品の素材として使われていますが、サラシア、桑の葉、グァバ葉ポリフェノール、ギムネマ、豆豉エキスなどです。
糖尿病対策の健康食品だけではなくて、ダイエット対策の健康食品にも使われています。それは血糖値の上昇を抑えて、血糖値スパイクが起こらないようにすることが体脂肪の蓄積を減らして、ダイエット効果を高める効果があるからです。