運動をすると元気が出るのは、身体を動かすことによって筋肉の細胞の中で発生したエネルギーが、全身を駆け巡っているように感じるかもしれません。エネルギーを発生させる細胞の中にあるミトコンドリアは筋肉細胞の中に多くあり、筋肉を動かすことによって多くのエネルギーが発生するのは事実です。しかし、イメージされるように、筋肉細胞の中で多く発生したエネルギーが細胞の外に出ることはなくて、細胞の中だけで使われる“地産地消”型の消費となっています。
運動によって筋肉を強化するには、その筋肉を動かして、筋肉細胞の中で発生したエネルギーを使って筋肉の増強に必要なタンパク質の吸着を行わなければなりません。筋肉は運動をしているときではなく、運動を終えてから増えていきます。筋肉細胞は強い刺激を受けると損傷して、これを修復するためにタンパク質が吸着されるのですが、そのときに損傷の前に比べて筋肉の量が増えていきます。これは超回復と呼ばれています。筋肉が増えるときには成長ホルモンが使われます。成長ホルモンは、運動後の休息時と就寝中に多く分泌されます。特に多く分泌されるのは就寝中なので、筋肉細胞の中では作り出されたエネルギーを蓄えておいて、これを使って増やしていることになります。
筋肉は消費エネルギー量の約70%を占める基礎代謝の35%以上を消費しています。全体の消費エネルギー量の4分の1ほどが筋肉で使われています。それだけ多くのエネルギーを発生させて、消費しているので、筋肉を増やすことはダイエットにも当然結びつきます。無酸素運動は筋肉細胞の白筋を刺激して、このときにはエネルギー源としてブドウ糖が使われます。有酸素運動は赤筋を刺激して、このときにエネルギー源となるのは脂肪酸です。ダイエットを中心に考えるなら赤筋を増やす有酸素運動が効果的ということで、有酸素運動をすることによって脂肪の代謝を高めるには、有酸素運動によって筋肉を刺激して、エネルギーを多く発生させて、これによって赤筋を増やすようにする必要があるということです。