筋肉を増やした分だけ代謝が高まって、体脂肪が減っていくというのでは、筋肉をつけながら体脂肪も増やしたいという望みをかなえることはできません。運動によって筋肉を増やしたうえで、その筋肉の上に適度な脂肪をつけていくことにとって、脂肪のメリットを活かすことができます。脂肪のメリットというのは、エネルギー源の蓄積、断熱材の役割、外的なショックへの防御、免疫の強化などのことですが、運動をする人にとっては持久力を得るためには、有効なエネルギー源である中性脂肪を脂肪細胞の中に蓄積させておくことが重要になる運動も複数あります。瞬発力だけでは勝てないスポーツもあるのです。
運動をした後に睡眠をとると、成長ホルモンによって筋肉を増やすことができます。運動と睡眠は筋肉を増やせるものの、筋肉がつきすぎて、代謝が高まることによって、蓄積させようとする体脂肪が減ってしまったのでは仕方がありません。そこで、運動後の睡眠は避けるようにして、睡眠はあえて夜中まで待つようにします。昼間に運動をして、睡眠までの間が長く開いても、寝ている間には成長ホルモンが多く分泌されます。睡眠中は、どんな寝方をしていても同じように成長ホルモンが分泌されるわけではありません。
最も成長ホルモンが分泌されるのは、深夜の0〜2時の間で、この時間帯に熟睡していることが求められます。睡眠のリズムは90分間隔で、45分かけて眠りが深くなり、続く45分で眠りが浅くなっていきます。このタイミングで成長ホルモンを多く分泌させるには、0時までには眠りにつくようにすることです。就寝時に成長ホルモンを多く分泌させることができれば、あえて睡眠時間に近いところで筋肉を刺激する運動をすることはなくなります。夕食で多めに食べると、脂肪細胞の中に蓄積される体脂肪を増やすことができるようになります。筋肉がつきやすくなるタイミングでの運動と、寝ている間の体脂肪の蓄積によって、筋肉とともに体脂肪も増やせるようになるのです。