食べる順番ダイエットというと、初めに流行ったのは野菜を先に食べてから食事を始めるベジタブルファーストで、血糖値を上昇させるご飯は最後に食べるというものでした。次に流行ったのはミートファーストで、肉を先に食べてからあとは自由に食べてよいというものです。第3の食べる順番ダイエットはデザートで、デザートは最後に食べるものという常識を覆したデザートファーストです。デザート(Dessert)は食事の後に出される菓子や果物を指しています。
食事では不足するビタミン、ミネラルを補う目的があるほか、甘いもので満足感を高めることを目的とする場合もあります。そのデザートを初めに食べるとなると、これはデザートとは呼べないとも思われますが、コース料理の締めとしてヨーロッパで始まったデザートは砂糖が使われた甘いものが基本です。
洋食は原則として調味料として砂糖は使われません。ここが和食との大きな違いです。食事で砂糖に含まれるブドウ糖を摂ることができないことから、血糖値を上昇させて満足感を得ることができません。そこで、最後に砂糖が使われた甘いデザートを食べて、血糖値を上昇させて食事を締めくくるというわけです。
先に甘いものを食べると血糖値が上昇して、脳の満腹中枢が刺激されて食欲が低下します。満腹感は血糖値だけで得られるものではなくて、おなかの中に食べたものが入ることによって胃が刺激されることによっても起こります。そこで、甘いものを食べてから通常の食事をすると、甘いものと食事で摂った糖質によって早く血糖値が上昇して、食べている途中で食欲が低下することになります。これがデザートファーストのメカニズムです。
ただし、空腹を感じるからといって、多くの量のデザートを食べると、血糖値が上昇しすぎて、膵臓から多くのインスリンが分泌されます。このインスリンが血液中に多く残った状態で食事をすると、再び分泌されたインスリンによって血液中にはインスリンが濃い状態になります。インスリンは肝臓での脂肪合成を進める作用があるので、太りやすくなるというデメリットがあるので、デザートファーストは少なめの量にしておくことです。