DNAの認定講師を養成するための講習をしていると、さまざまな質問が寄せられます。1人だけからの質問もあれば、複数から同じ質問が寄せられることもあります。同じ講習テキストを用いているので、似通った質問が連続するのはよくあることです。初めて質問が重なったのが今回のテーマの質問です。
講習テキストには、一般的な発達障害にみられるチェック項目、発達障害に多く見られる食事の困難さなどが掲載されています。これを学ぶ人は、あくまで認定講師になろうとしている人で、学ぶ人のためのチェック項目ではないのですが、「ひょっとして自分も発達障害ではないのか?」との疑問が湧き上がってきているということです。
発達障害が通常級に通う子どもの割合が6.5%だと初めて文部科学省から報告されたのは2012年のことで、そのときでも実際には10%は存在していると言われていました。2022年の調査では8.8%になり、10%ではすまないだろう(計算上は13.5%)と言われるようになりました。
それまでは発達障害の実態もわからず、発達障害がある子どもも相当数が見逃されてきていたわけですが、発達障害は生涯にわたって特性が変わることがないという特徴があります。大人になってから発達障害であることがわかる例も増えていて、その多くは子どものときの見逃しとなっています。
発達障害の原因の中には遺伝もあげられているので、子どもが発達障害であることがわかって、自分もそうだったのではないかという疑問が湧き上がってくるのも当然のことといえます。
実際の発達障害の状態のチェック項目や特性について、自分に当てはまることが多いと感じるのは、発達障害が微妙な感情や感覚の現れであって、実は気づきにくいということを示しているのです。
本人の不安を解消するために、医療機関で使われている判定基準を示すことはできます。いたずらに不安感を抱かせることがないように、DNA、認定講師の中で希望する方には、その方法を紹介することにしています。
〔発達栄養指南:小林正人〕