発達障害は医学的には障害と名付けられていることから、発達障害児支援でも障害であるとの認識がされています。障害といっても、電気製品にたとえると故障をしているわけではなくて、すべての材料はそろっていても、一つの電線の通りが通常よりも遅れるなどして本来の能力が充分に発揮されていない状態と説明されます。
また、電線はすべて接続されているのに、接続させた部分の接触が足りずに、やはり本来の能力が発揮できない状態と考えられています。
半導体の基盤が、間違ったものが使われているようなこととは違っているのです。
発達障害というと、脳の発達段階で、部位によって成長スピードにバラツキがあって、発達が遅れた部分が一部にあると、通常の期待される状態とは異なることが起こります。これを一般に説明するときには「脳の発達の凹凸」という言葉が使われます。
充分な能力でない部分がある一方で、突出した部分もあるというイメージで、これは発達障害児の保護者などの関係する方々の安心材料の一つになっています。
しかし、発達支援をする施設などでは、障害であることを認識して、改善に努めることが保護者に対して強く言われることがあります。簡単に考えるのではなく、障害に立ち向かう努力について家族にも認識してもらい、積極的に改善に取り組んでほしいという思いがあります。その思いが強すぎると、説明の言葉から発達障害は治らないという印象を抱かせることにもなります。
脳は使っていない部分のほうが多いと言われます。使っていないのは90%という説から20%という説まで、さまざまではあるものの、使われていない部分の神経伝達をよくするだけでなく、すでに使われている部分も神経伝達をよくするように進めることができます。
このことが改善であり、治すことができる要因となるはずです。その神経伝達物質として注目しているのはセロトニンで、発達障害がある人はセロトニンが不足していることが確認されています。
DNA認定講習のテキストでは神経伝達物質のセロトニンの特徴と、セロトニンを増やすための栄養面での方法を、序章と最終章の脳科学の中で解説しています。
〔発達栄養指南:小林正人〕