栄養不足は貧困問題で語られることが多いのですが、発達障害児の支援という大きな課題を解決するためには大いに語られなければならないことです。
栄養不足は、まずはエネルギー源の不足が課題で、必要なエネルギー量を確保するように食べられるようにすることが大切です。ただエネルギー量を確保するだけであったら、エネルギー量が高い脂肪を多く摂ればよいわけで、脂肪のエネルギー量は1gあたり約9kcalと、糖質とたんぱく質の約4kcalと比べると2倍以上になっています。
エネルギー量の確保もバランスが重要で、ただエネルギー量が多ければよいというわけではありません。脂肪はエネルギー量が多いので、摂りすぎれば太っていく、つまり余分な体脂肪を増やすことになります。
余分でない体脂肪もあって、これはエネルギーの蓄積のための適切な量のことで、適切な体脂肪(中性脂肪)をエネルギー化させるために必要な栄養素があります。それはビタミン、ミネラル、代謝促進成分です。ビタミンとミネラルが不足しているとエネルギー代謝が低下して、せっかくのエネルギー源が使われなくなります。
そして、作り出されたエネルギーによって細胞の中で行われる各種の働きが低下していくことになります。身体を成長させるのも、ホルモンや神経伝達物質などを作り出すのにもエネルギーが必要となります。
そのエネルギーを多く作り出すために必要なのが代謝促進物質で、脂肪をエネルギー化するにはL‐カルニチンが必要です。必須アミノ酸を材料に体内で作られるものの、子どものときには体内の合成量が少なく、材料の必須アミノ酸が含まれる肉、魚、卵、乳製品、大豆製品が充分に摂取されている必要があります。
発達障害児の場合には、特に多くのエネルギーが必要で、発達栄養としてアプローチする子どもは、より多くの種類の食品を摂らなければなりません。そのことの重要性と解決方法を伝えることもDNA資格認定者の大切な役割です。
〔発達栄養指南:小林正人〕