膵臓のランゲルハンス島のβ細胞から分泌されるホルモンの一つです。以前はインシュリンと表記されていましたが、2006年から医学・生物学分野でインスリンが正式な表記となりました。糖尿病の説明で、よく使われる言葉であるため、ブドウ糖を筋肉細胞に取り込んでエネルギー化させる働きについてはよく知られています。そのほかにも、グリコーゲンの合成促進と分解抑制、脂肪合成の促進、脂肪細胞への脂肪の取り込み促進などの働きがあります。インスリンの分泌量は、血液中のブドウ糖の増加に反応して増加するため、糖質や甘いものなどを摂ったときに上昇します。自律神経の働きによって分泌量が変化し、副交感神経が盛んに働いてリラックスしているときに多く分泌され、逆に交感神経が盛んに働いて興奮状態にあるときには分泌量が低下します。インスリンが分泌されているのに、インスリンの働きが低下して血糖値が上昇する状態をインスリン抵抗性といいます。
〔参照〕血糖値、抗糖化、耐糖能異常、糖尿病