腸には異常がないにも関わらず腹痛や腹部の不快感を伴い、下痢や便秘になる状態を指します。以前は過敏性大腸症候群などと呼ばれていましたが、大腸だけでなく小腸を含めた腸全体に異常が起こることから過敏性腸症候群と呼ばれるようになりました。日本人の10~15%にみられ、消化器科の受診者の30%以上を占めています。消化器運動以上、消化器知覚過敏のほか心理的異常が原因であり、ストレスによる交感神経の過敏が症状を悪化させると考えられ、免疫異常も関わっているといわれます。20~40代に多く、女性の比率が高くなっています。男性では下痢が多く、女性は便秘が多くなっています。下痢と便秘を繰り返す交代型も増えています。
〔参照〕下痢、交感神経、ストレス、便秘、免疫