inpane8 記念日ビジネス

小さなネットワーク(パーソナルネット)をつないで大きなネットワーク(インターネット)としていくことを「インターパーソナルネット」と表現して、さまざまなビジネス展開が行われています。

その一つとして取り上げるのは、私が関わってきた記念日ビジネスです。記念日は、今でこそ365日(閏年の場合は366日)で記念日のない日はなく、1日に10以上の記念日が存在している日も珍しくありません。

記念日は終戦直後からあったと伝えられる中、記念日が国民的に意識されるようになったのは1987年のことです。歌人の俵万智の第一歌集『サラダ記念日』が発売され、その中の「『この味がいいね』と君が言ったから七月六日はサラダ記念日」にちなんで、7月6日がサラダ記念日と制定されて、さまざまな関連イベントが開かれました。

当時は農林水産省が農産物の販売促進に記念日を使い始めていて、食品業界(製造、流通、販売)も記念日を設けるようになっていました。初めの頃は食品に関わりのある日が採用されることが多かったのですが、だんだんと語呂合わせが増えてきました。

語呂合わせのほうが印象に残りやすいということもあり、例えば納豆の日(7月10日)、豆腐の日(10月2日)が注目されました。

記念日を用いた販売促進キャンペーンはメディア活用が大切で、健康をテーマにしたテレビ番組が1987年に始まると、その中で「今日は何の日」が人気コーナーとなり、健康に関わる記念日、食品に関わる記念日が次々に登場しました。

広告代理店を通じで、この記念日の情報を提供していたこともあって、2002年に納豆の日キャンペーン、2003年に豆腐の日キャンペーンが始まったときには、さまざまな形で関わり、各局のテレビ番組をはじめとしたメディア対応をさせてもらいました。

記念日は、業界や地域の小さなネットワークから始まったものも、メディア対応を重ねていくことで大きなネットワークにしていくことができる面白いビジネスツールとなっています。
〔小林正人〕