ベジタリアンというと、野菜ばかり食べている人のように思われるかもしれませんが、野菜や穀類、果物などのほかに動物性食品をプラスした、いろいろなタイプのベジタリアンがあります。最もシビアなベジタリアンはピュアベジタリアンとも呼ばれるビーガンで、肉類、卵、乳製品も食べません。卵は食べるオボベジタリアン、乳製品は食べるラクトベジタリアンなどがあります。
日本人は「フィッシュ・ベジタリアン」に分類されます。昔の日本人、と言ったほうが正確かもしれません。野菜や穀類を中心にした食生活に魚を加えたのが基本で、海に囲まれ、川でも池でも湖でも魚を採ることができる環境が、魚と相性のよい日本人の体質を作り上げてきました。そのほかにも鶏卵も日本人のたんぱく源となってきました。
鶏卵にはコレステロールが多く含まれることから、LDLコレステロール値が高い人は鶏卵を減らすように、場合によっては摂らないように指導されることがあります。しかし、鶏卵や魚卵のコレステロールの吸収率は半分ほどで、これは日本人が卵類を歴史的に食べてきたことと関係しています。
魚にも赤身、白身、青背、それに小魚があり、日本人は多くの種類を食べてきました。食品は丸ごと食べことで、その中に含まれる栄養素がバランスよく摂れます。魚は丸ごと食べられる食品で、脂肪の中でも肉類に多い飽和脂肪酸ではなく、植物性油に近い不飽和脂肪酸が多く含まれています。いわゆる血液サラサラ系の脂肪酸です。
肉食を否定するわけではないのですが、できるだけ魚食を心がけることが、そして不飽和脂肪酸が多く含まれる青背魚を心がけることが、日本人の体質に合った食品の選択であることは間違いありません。