法規制8 特定少数が対象でも規制は同じ
広告が規制される健康食品については、いまだに誤った認識がされているところがあります。健康食品の表示に詳しい専門家のアドバイスを受けていれば、このような間違いは起こらないはずですが、広告の規制は不特定多数に知らせる場合だけに該当するもので、特定の人に対するもの、例えば「製品の購入者に対しては該当しない」と考えている販売事業者も少なからずいます。
健康食品の販売に関する規制の一つの「無承認無許可医薬品監視指導マニュアル」では、医薬品的な効能効果も用法用量(摂取タイミング、摂取量)も表示することは禁止されていますが、それは広告だけに限ったことではありません。チラシやパンフレットなどに書かれていることを示すことなく、口頭で話したことも販売する意図、会員に誘う意図があって行われた場合には、文書で書かれたのと同じように判断されます。
すでに商品を購入している人や会員になった人は、商品のことを知っている限られた人ですが、そうであっても法規制を受ける内容を伝えるのは禁じられた行為です。
購入者や会員といった特定少数に対して配布される文書も、不特定多数に配布される文書や広告なども、同じ基準、同じ厳しさで判断されます。以前は限られた人たちだけに配られたものは規制側に発見されにくいということもありましたが、ネット時代は簡単に拡散されるので隠そうとしても隠せるものではありません。
商品名や会社名が書かれていると規制にかかりやすいからと、商品名が書かれていない効能効果だけの文書が出回ることがあります。それであっても、その成分の組み合わせが特定の商品だけのものであれば、その商品の説明文とみなされて取り締まられることも実際に起こっています。
その場合の対処法はあるのですが、これは多くの目に触れるところに書くべきことではないので、個別に話すというのが普通のやり方になります。