“体質”というのは便利な言葉で、一般的な範囲から外れている人がいると、「それは体質のせいですね」と決めつけて、なぜ一般常識と異なることが起こっているのかを追求しなくても、なんとなく納得してもらえるところがあります。
そのようなことではなくて、日本人には特有の体質があり、それが健康づくりにプラスになる反面、マイナスにもなっています。その体質がメディカルダイエットの研究テーマの一つであり、臨床栄養や運動科学の医学系・科学系の学会の研究者とともに日本人の特性を追求してきました。その研究は、日本メディカルダイエット支援機構の本部を東京から岡山に移してからも続いています。
日本人は低エネルギーの食事を歴史的に続けてきたことから、できるだけ多くのエネルギー源(糖質、脂質)を体内に取り入れ、蓄積した糖質(筋肉や肝臓のグリコーゲン)や脂質(脂肪細胞の中性脂肪)は無駄に使われないように変化してきました。それが日本人の体質と関係しています。低栄養の食事でも多く吸収できるように腸が長くなり、吸収に必要な酵素も増えていきました。低栄養の時代には優位な特徴でしたが、過剰摂取の時代となると、これは弱点となり、糖尿病や脂質異常症、高血圧症が起こりやすくなっています。
これらの生活習慣病は血管にダメージを与えるもので、日本人は低栄養の時代のホルモン分泌、エネルギー代謝を遺伝的に引きずっているので、改善も難しくなっています。そのため海外のデータと方法を持ってきて、それと同じようにすれば同じ健康効果が得られる、というわけにはいかないのです。
日本人の血液温度は、欧米人や他のアジア人などと比べても低くなっています。これが血液中の脂肪を固めて血流を低下させ、生活習慣病を悪化させることにもなります。また、体温を上昇させるためにも多くのエネルギーが必要で、もっとエネルギー代謝を高めることをしないと、目先の対応では間に合わなくなります。その事実を伝え、日本人の体質に合ったメディカルダイエットの方法を伝えるのも、私たちの資格認定講習の目的の一つとなっています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)