日本人は体質的に大きな弱点があって、その最たるものは血液温度が低くて、体温が暖まりにくく、全身の代謝が低いということがあげられます。血液温度が低いのは、体脂肪をエネルギー化させるために必要なL‐カルニチン不足が第一の理由となっています。
L‐カルニチンは細胞のエネルギー産生の小器官であるミトコンドリアに脂肪酸を通過させるときに欠かせない成分で、体内で合成されています。その合成のピークは20歳代前半で、それ以降は年齢が進むほど合成量も蓄積量も低下していって、脂肪代謝が低下していきます。高エネルギーの脂肪酸の取り込みが少ないとエネルギー代謝も低下していきます。
L‐カルニチンは肉に多く含まれていて、日本人は歴史的に肉の摂取が少なかったことからL‐カルニチンが少ないうえに、脂肪も歴史的に摂取が少なかったので脂肪代謝に必要なL‐カルニチンの合成能力が低くなっています。体内で発生したエネルギーの半分ほどは体熱になるので、どうしても日本人は血液温度が低くなっています。
脂肪酸は血液温度が高いほど血液中で溶けやすくなっています。日本人の血液温度は37〜38℃と欧米人や北方アジア人よりも1℃ほど低くなっています。牛や豚の血液温度は40℃ほどで、その中で溶けている脂肪は温度が低い血液の中では固まりやすくなります。これが日本人が脂肪の摂取が増えたことによる、生活習慣病を増やす要因となっています。
最大酸素摂取量の60%の有酸素運動をすることによって、運動後にも脂肪代謝が高まるEPOC効果は、脂肪代謝が低い日本人に適した運動法です。エネルギー代謝が低いのは体質で仕方がないと諦めるのではなくて、有酸素運動によって改善は可能で、しかも無理なく続けられる有酸素運動であるインターバル式のウォーキングや、バランスボールを用いたバウンド運動なら体質を改善する効果も望めることになります。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)