Medical Diet131 代謝は異化と同化がある

代謝は体内で生じる化学変化とエネルギー変換を指していて、栄養素が合成される過程と分解される過程があります。代謝の過程を物質の面からみた場合は物質代謝、エネルギー変化の面からみた場合はエネルギー代謝と呼ばれます。
日本メディカルダイエット支援機構が講習をしているのは主にはエネルギー代謝ですが、健康維持のために重要となるのは、エネルギー代謝によって作り出されたエネルギーを使って合成させることです。エネルギーを作り出すのは異化、エネルギーを使って身体に必要なものを作り出すのは同化と呼ばれています。
同化によって作り出されるものとしては、身体を構成するたんぱく質、グリコーゲン、中性脂肪などや、ホルモン、神経伝達物質、酵素などで、健康を維持するために必要なものを充分に作り出せるかどうかは、どれだけ多くのエネルギーを作り出せるかにかかっているわけです。
異化(catabolism)はブドウ糖、脂肪酸、アミノ酸を分解して、細胞の中にあるエネルギー産生の小器官のミトコンドリアに取り込み、これをTCA回路の生化学反応によってエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)を作り出すことです。
これに対して、同化(anabolism)は異化によって作られたエネルギーを使って、細胞の中の酵素を反応させて、生体に必要な分子を合成していくことを指しています。同化にはビタミン、ミネラルなどが必要で、これらを補うことによって健康になることを求めるのは同化に注目した行動です。同化のためには異化によるエネルギー産生が重要で、そのためにエネルギー代謝を高めることがメディカルダイエットの手法で、食事と運動、食事と休養、運動と休養の組み合わせとタイミングによるエネルギー代謝の促進法となっています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)