筋肉には種類があって、筋肉によってエネルギー源が異なるというのはメディカルダイエット講習の基本的なこととして伝えています。その筋肉は色で分けると白筋と赤筋、動く速度で分けると速筋と遅筋になります。白筋が早く動いて習慣的に大きな力が出る速筋で、赤筋が強い力はないものの長く動き続けられる遅筋となっています。酸素の使用については、無酸素運動に向くのは白筋で、有酸素運動に向くのは赤筋です。
筋力は筋収縮力、筋持久力、筋代謝力に分けられていて、白筋は収縮力が強く、赤筋は持久力が強いことになります。筋代謝力のほうは、どれだけエネルギー代謝をして、エネルギー源を効果的に使えるかという能力で、一般には赤筋の特徴を示すときに使われます。
というのは、エネルギー代謝によって大きな力を発揮できるのはエネルギー量が大きな脂肪酸で、運動によって作り出されるエネルギー量も大きくなっています。脂肪酸は1gあたり約9kcalと、ブドウ糖の約4kcalに対して2倍以上になっています。
講習テキストでも、この範囲で違いについて説明しているのですが、激しい運動をしている人からは、別の筋肉の名前があげられることがあります。それはアネロビック筋とエアロビック筋です。トライアスロンのように激しい運動をする人たちから、よく出てくる分類ですが、アネロビック筋は白筋、エアロビック筋は赤筋のことです。
わざわざアネロビック筋とエアロビック筋という名称を使っているのは、どちらの筋肉が優れているというのではなくて、両方の筋肉を有効に働かせることが重要という考えからのようですが、それは特別なことではなくて、今では当たり前のことになっています。
アネロビック筋が激しく動くと乳酸や老廃物質が多く作られるので、エアロビック筋によって乳酸も老廃物質も分解しようということで、確かに無酸素運動のあとに有酸素運動をすると疲労物質である乳酸を、エネルギー源として使って、より多くのエネルギーが作り出されて、激しい運動にも耐えられるようになるという説明がされています。
激しい筋肉運動をしたあとには、ウォーキングやバランスボールを使ったバウンド運動といった有酸素運動をするのは、赤筋と白筋の特徴に合わせた方法となっています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)