大食いは最良のタイアップ企画ということで、テレビ番組では経費のかからない店舗のPR番組として大食いは元祖の番組だけでなく、各局でも使われています。大食いなのに太っていない女性は、ある意味で“憧れの存在”で、メディカルダイエット講習でも、食べても太らない、むしろやせられる方法はないのか、と聞かれることがあります。
食べても太っていない女性を対象に検証をしたことがあり、元祖の大食い女性タレントともいえる方にレントゲンまで使って検査をしました。そのときの結論はあるのですが、それは後で書くとして、そのときと同じ切り口の番組の企画への意見が求められました。私自身は、あまり肯定的な意見は出さなかったので、専門家を紹介してほしいという依頼があり、リストアップしました。
放送された番組では、3人の大食いでも太っていない女性を取り上げて、その理由として、水溶性食物繊維の多さ、やせ菌(水溶性食物繊維を材料に短鎖脂肪酸を作り出す腸内細菌)の多さ、胃から小腸に送り出す速度をあげていました。実際に検証をしたわけではなくて、あくまでコメントした医師の個人的な見解となっていました。聞かされていた内容とコメントが合っていないと怒りを伝えてきた専門家もいたのですが、それはテレビ番組の常套手段です。
番組には答えが隠されていて、3人とも食後のトイレの回数が尋常でないほど多くなっていました。これは以前の検討と同じことで、消化液が少ないので充分にされていないため、吸収も充分でない、だから便量が多くなるということです。ただ普通の方だったら、消化液が少ないと胃の中に入る量も限られてくるのに、取り上げた女性は胃が大きく膨らんで、中には病的な胃下垂の人もいました。
あまり消化されなくても、胃が大きく膨らんだら、多くの量を食べられるということで、これは本当の意味で大食いなのか、あえて検証の形で取り上げる意味があったのか考えさせられることです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)