筋肉を増やす役割をしているのは成長ホルモンです。成長ホルモンは成長期の子どもでは1日を通じて多く分泌されていますが、成長期を過ぎると深夜の就寝時に多く分泌されるだけで、それ以外の時間帯には多くは分泌されない状態となります。
夜になって、ただ寝ていればよいということではなくて、就寝して熟睡している時間帯が重要になります。その時間帯というのは、深夜の0時から2時の間です。床についてから、すぐに寝ついたとしても熟睡するまでには40分ほどはかかります。
睡眠のリズムは一般には90分周期となっていて、寝ついてから45分かけて深い眠りになり、それに続く45分は浅い眠りになります。睡眠の周期は、初めの90分が最も深くて、2回目、3回目と浅くなっていきます。このことを考慮すると、0時から1時の間には床につくようにすることが求められます。
成長ホルモンは筋肉を増やす働きがあるホルモンですが、ただ寝ていれば分泌が多くなるだけでなく、運動をして筋肉を刺激することが必要です。最もよいのは筋肉運動をした後に、すぐに睡眠をすることです。相撲の力士が稽古の後に食事をしてたんぱく質を摂取してから睡眠をとるのは、筋肉を増やすために行っていることです。
これと同じように、運動後に睡眠をとるわけにはいかないことが多いので、運動をした結果として筋肉が増えるのは、深夜の睡眠のタイミングとなります。そのため、運動をして筋肉を鍛えた日には、できるだけ早めの時間に就寝して、ぐっすりと眠ることが重要となります。
熟睡のためには、自律神経の副交感神経の働きが盛んになっていることが大切で、そのためには、ぬるめの温度での入浴、就寝前のストレッチをしながらの深呼吸が有効となります。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)