ダイエットの基本は食事と運動・生活活動のバランスです。食事による摂取エネルギー量が多くて、運動などの消費エネルギー量が少なければ太る、それとは逆に食事による摂取エネルギー量が少なくて、運動などの消費エネルギー量が多ければやせる、といったことが一般の認識です。
これは正しいことではあるものの、これだけが正しいわけではありません。食事と運動の、どちらを先にするかで代謝は変わってきます。同じだけの食事量、運動量であっても、体脂肪を増やす方法と減らす方法があり、それが食事と運動のタイミングです。
このほかに食事と入浴のタイミング、運動と入浴のタイミングでも違いがあり、これを活かした効果的なダイエット法、無駄のないダイエット法がメディカルダイエットの研究テーマです。日本メディカルダイエット支援機構が設立されたのは15年前ですが、その以前の健康科学情報センターを始めた30年前からメディカルダイエットの研究を進めてきました。
もともとはスポーツ選手のための体脂肪の増減法でしたが、臨床栄養の世界に移ってからは生活習慣病の予防と改善のための食事を主眼とした増減法の研究を始めました。日本健康スポーツ連盟の理事を務めていたときには、運動を主眼とした増減法の研究に注力しました。
ここで着目してもらいたいのは、体脂肪の減少ではなくて“増減”ということです。ダイエットというと体脂肪を減らすことばかりが言われがちですが、体脂肪を減らすだけでなく、人によっては体脂肪を増やすこともダイエットです。ダイエット(Diet)は食事療法、運動療法という意味で、さらに元々の意味は“方針、戦略、作戦”などで、正しい方針に基づいて、その人にとって正しい方法を実践することがダイエットだからです。
このタイミングによって体脂肪を増減させる方法はメディカルダイエット講習の重要なテーマとなっています。やせるほうのダイエットを目指した講習では、太るほうについては、「せっかく食事と運動で頑張っているのに、太る生活をしている人がいる」という注意事項として説明をしています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)