ダイエットのための運動というと、筋肉トレーニングをするシーンが報道でもコマーシャルでもよく見かけますが、これは筋肉量が少なすぎる人に対しての方法で、スポーツ選手や運動慣れしている人には持久運動を増やすように指導されます。
筋肉に負荷をかけるトレーニングは筋肉量が増えやすく、効果が目に見えるのですが、このときに増えているのは白筋です。白筋は短時間に早く大きな力を出すことができる筋肉で、速筋とも呼ばれています。白筋は、すぐにエネルギー化されるエネルギー源が必要であることからブドウ糖が使われています。
ダイエットで減らしたいのは体脂肪で、これは脂肪細胞に蓄積されている中性脂肪となっています。この中性脂肪は分解されて脂肪酸となり、脂肪酸がエネルギー源となります。脂肪酸を取り入れてエネルギー化しているのは赤筋で、ゆっくりと長く筋肉を動かすことができることから遅筋と呼ばれています。
白筋は息を止めた無酸素運動でも動かすことができますが、赤筋は呼吸をして酸素を取り入れた有酸素運動で動かすことができます。脂肪酸を減らすためには、有酸素運動が必要になるのです。
有酸素運動であるウォーキングや自転車こぎ、バランスボールを用いたバウンド運動は、多くの酸素を吸い込みながら続けることができますが、この有酸素運動によって便通がよくなることが確かめられています。これは腹部が動いて、腸が揺り動かされることだと説明されることがあります。その効果があるとしても、大きな理由として考えられているのは腸が温まって、善玉菌が増えやすい環境になっていることです。
運動をして温かな血液が小腸と大腸に送られると温度は高まっていきますが、善玉菌は温度が高めの環境で増殖するので、それが善玉菌を増やして、そのために悪玉菌が減って腸内環境が整えられ、便通がよくなるということです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)