焼き肉は食べたいけれど太りたくない、という人が好んで食べたがるのは“ハラミ”です。ハラミ肉が大好きなのでハラミちゃんと名付けたストリート・ピアニストがいますが、ハラミは、以前は焼き肉のメニューというよりもホルモン扱いでした。
どの部位かというと牛の横隔膜の筋肉部分です。筋肉だけあって、見た目は赤身で、しかも食感も赤身に近くなっています。たんぱく質も多くて、適度な柔らかさと歯ごたえがあって、癖がなくて食べやすいという特徴があります。そして、加熱しても固くならないという他の部位の肉とは違った特徴もあります。ただ赤身に近いというだけではなくて、程よい脂が乗って弾力があります。
牛1頭(700〜800kg)から2〜3kgしか採れないので、希少部位とされています。ハラミはリブロースとカルビの間の部分で、希少部位なのに価格がカルビよりも安いことから人気が高くなっています。
エネルギー量(カロリー)も、100gあたりにつき、ロースが391kcal、カルビが465kcalもあるのに対して、ハラミは377kcalでしかありません。ハラミが横隔膜であることから低エネルギー量であるのに、食感が赤身肉に近いことも人気が高い理由となっています。
ハラミというと、以前は“偽物のステーキ”の材料となっていた時期があります。偽物のステーキといっても、そのまま厚切りをして焼いてもステーキのような味わいにはなりません。そこで、安いステーキを提供する店舗では、ハラミに針を指して、そこから脂肪を注入してステーキ肉(リブロース、ヒレ、サーロイン、ランプ、Tボーン、イチボ、モモ、ミスジなど)に見えて、味や食感を似せるようにしたものも使われています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)