Medical Diet159 重要なのは下半身の筋肉

筋肉はエネルギー代謝量が多いことから、体脂肪を減らすことを目指すときには、筋肉量を増やすことが重視されます。筋肉の細胞(筋繊維)にはエネルギー代謝の小器官であるミトコンドリアが1つの細胞について2000〜3000個もあって、多くのエネルギーを作り出しているからです。

筋肉のエネルギー代謝量は基礎代謝のうちの30〜35%とされていて、筋肉が多いほどエネルギーとして消費されるエネルギー源(糖質、脂質)が増えることになります。

筋肉の中には、脂肪分解酵素のリパーゼがあり、中性脂肪を脂肪酸に分解します。脂肪酸は脂肪代謝促進成分のL‐カルニチンと結びついてミトコンドリアに取り込まれます。リパーゼが多いほど中性脂肪の分解が進み、ミトコンドリアでのエネルギー産生も高まっていきます。

筋肉の量が多い人ほどリパーゼの働きが高く、筋肉の量が少ない人ほどリパーゼの働きが低く、筋肉の量が多いほど太りにくく、やせやすいということになります。

どこの筋肉を刺激して増やすのかというと、筋肉を増やすというと上半身が注目されがちですが、筋肉量は一般では下半身に70%が存在しています。この割合はヘソから下を指しています。

この筋肉を増やすためには下半身を鍛えるスクワットなどが効果的ですが、無酸素運動によって増える白筋は主なエネルギー源はブドウ糖です。それに対して脂肪酸をエネルギー源とするのは赤筋で、赤筋は有酸素運動によって鍛えることができます。

そのため、下半身の筋肉を増やす方法としては、フィットネスやウォーキングなどのエクササイズ運動がすすめられます。歩いて脂肪が盛んに代謝される身体にするためには、歩くことが大切だということです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)