Medical Diet161 中性脂肪値と腸内環境の関係

中性脂肪は、脂肪酸3個が結ばれた形になっていて、体内の脂肪酸が増えるほど蓄積型の脂肪である中性脂肪が増えていきます。血液中の中性脂肪の量は中性脂肪値を測定することで確認することができます。

肉や魚、牛乳、卵などの食品に含まれる脂肪は中性脂肪で、これらの食品を多くは摂っていないのに中性脂肪値が上昇するのは普通に起こることです。それは一つには、脂肪細胞(内臓脂肪、皮下脂肪)に蓄積されている中性脂肪が関係しています。

脂肪細胞の中の中性脂肪は固定されたものではなくて、多く蓄積されていると、それだけ多く分解されて血液中に脂肪酸として放出されます。この脂肪酸は、肝臓で中性脂肪に合成されて、血液中に放出されます。こうした仕組みによって、太っている人は、脂肪が多く含まれた食品を多くは食べていなくても、中性脂肪値が上昇していくのです。

腸内環境との関わりでいうと、血液中の中性脂肪が多くなると、血流が悪くなります。いわゆる血液ドロドロの状態で、血流が低下すると温かな血液が全身の隅々まで送られていくのに時間がかかるようになります。そのため、腸が温まりにくくなります。

腸内細菌の善玉菌は腸内が温かいことで増えやすく、活動も活発になります。腸内が温まることによって善玉菌が増えていくことになります。悪玉菌の増殖は腸内の温度に関係なく、悪玉菌の栄養源(エサ)があり、腸内の酸性度が低下することによって増えていきます。腸内細菌は総数がほぼ決まっているので、善玉菌が増えると悪玉菌が減って、腸内環境が整えられていくようになります。

悪玉菌の栄養源になるのは動物性のたんぱく質と脂肪なので、肉食が多い食生活では悪玉菌が増えやすくなります。また、腸内環境を整えるために必要な食物繊維は肉や魚には少ないので、どうしても悪玉菌が増えやすくなってしまうのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)