Medical Diet174 心の高血圧

高血圧は全身に影響を与えることから、状態が悪化した高血圧症だけでなく、糖尿病にも高中性脂肪血症にも影響を与えます。高血圧症、糖尿病、高中性脂肪血症ともに血管にダメージを与える疾患であるので、これらの状態が長く続くと全身の状態に影響を与えて、免疫にも寿命にも影響を与えることになってしまいます。

今回のテーマの「心の高血圧」は実際の身体の高血圧とは異なる精神的なことについて触れているのですが、高血圧の原因には精神的なことも影響をしていて、ストレスが高まると自律神経の交感神経の働きが盛んになって、血管が収縮して血圧が上昇するようになります。

高血圧は収縮期高血圧(最高血圧)と拡張期血圧(最低血圧)の両方で判定されるもので、収縮期の血圧が高くても拡張期の血圧が高くても正常値を超えたら判定されます。これに対して、「心の高血圧」で問題としているのは拡張期高血圧に当たる部分で、プレッシャーが強く関わることがあっても、プレッシャーが弱まることがあれば、それほど大きなプレッシャーを心身ともにかけることはなくなるという考えです。

身体的な高血圧で特に問題となるのは収縮期高血圧のほうではなくて、拡張期高血圧のほうです。それと同じように、強いプレッシャーがかかることがあっても、プレッシャーが弱まる時間帯があれば、心身のプレッシャーを弱めることができます。

ところが、身体の高血圧は拡張期高血圧が高い状態だと、血管が緩むことがないので、血管の負担は、拡張期高血圧に関係なく血管のダメージは大きくなります。それと同じように精神的なプレッシャーが弱まることがないと、ずっと悩みが続くようなことがあると、プレッシャーが蓄積されて、気づかないうちに心身のダメージが高まっていきます。そういった意味で「心の高血圧」を健康づくりでは重視しているのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)