中鎖脂肪酸はMCTと略されていることは、最近のテレビやネットのコマーシャルで広まっています。脂肪であっても、機能性がある商品なので、健康食品と同様に表現に規制がかかっています。そのために、どんな機能があるのか、なかなか伝わらない状況があります。
MCTはMedium Chain Triglycerideの略で、日本語の中鎖脂肪酸は直訳的な表現です。脂肪酸は炭素、水素、酸素が鎖のようにつながっていて、その鎖の長さが中程度という意味です。
一般に脂肪酸と呼ばれている動物や植物の脂肪酸は長鎖脂肪酸と呼ばれています。長い鎖なので、これを分解するのに消化液が多く必要で、消化にも時間がかかります。これに対して中鎖脂肪酸は消化が早く、早く吸収されて、エネルギーにもなりやすいので、太りにくい脂肪酸ということがアピールされています。
エネルギーになりやすいというのは、細胞の中でエネルギー代謝を起こすミトコンドリアに入りやすく、そのために効率的にエネルギー化されるということを指しています。
長鎖脂肪酸はミトコンドリアに取り込まれるときには、代謝促進成分のL‐カルニチンと結びつく必要があります。結びつくことによってミトコンドリアの膜を通過することができます。
これに対して、中鎖脂肪酸は単体でもミトコンドリアの膜を通過することができます。L‐カルニチンは体内で合成されるものの、そのピークは20歳代前半で、年齢が進むほど合成量が減り、そのためにエネルギー代謝が低下していきます。
中鎖脂肪酸はL‐カルニチンの量に関係なく、ミトコンドリアに取り込まれて、効果的にエネルギー化されるので、太りにくいというだけでなく、作り出されたエネルギーを使って、全身の細胞を活性化させることができます。
このメカニズムを簡単に、エネルギー化しやすいと表現しているのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)