代謝を高めるためには腸内細菌の善玉菌を増やすことが大切で、腸内細菌の数はほぼ決まっているので、善玉菌が増えると悪玉菌が減って腸内環境が整えられていきます。
悪玉菌は毒素(有害物質)を発生させます。毒素は強い臭いを発生させるので、便の臭いは悪玉菌の量を推測させるものとされています。悪玉菌が発生させた毒素は大腸壁を通過して、血液中に入ります。そして、全身の細胞に運ばれていきますが、細胞に取り込まれた不要なものは細胞の代謝を低下させることになります。
善玉菌と悪玉菌は温度による特性があります。善玉菌は高めの温度で活性化して増殖するのに対して、悪玉菌は低めの温度でも高めの温度でも活性化して増殖します。腸内温度は高めになっていることで善玉菌は活性化して発酵も進みやすくなります。
発酵食品を乳酸菌などによって発酵させるときには、高めの温度が必要になることと同じ状態とみることができます。
血流が低下すると手足が冷えるという人がいます。血液の温度は民族によってほぼ決まっているので、冷えるというのは温かな血液が早く送られてこなくて、皮膚からの熱の放出に血液による熱の補充が間に合っていない状態といえます。
皮膚は外側にあり、腸内は内側にあるのですが、腸は口から胃を通して、最後は肛門につながる1本の管と考えることができます。腸壁には毛細血管が密集していて、血流が低下すると腸内も冷えた状態になります。手足の冷えは、腸内の冷えのバロメーターとなります。
手足の冷えだけでなく、腹部を触れてみて冷えて感じるときには腸内も冷えていて、そのために善玉菌が増えにくい状態となっています。血液の温度に大きな差はないので、血流をよくする運動や日常的な身体活動が大切になってきます。
身体を動かして代謝によって発生するエネルギーのうち半分ほどは熱エネルギーとなっているので、身体活動が腸内環境を整えるために、いかに大切であるかということがわかるかと思います。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)