リバウンドは体重がダイエット前の状態に戻ることではなくて、筋肉が減り、体脂肪が増えることを指しています。筋肉は2日間まったく動かない状態だと全体の筋肉量の1%ほど減っていくとされています。1%の減少というのは、65歳以上の高齢者が運動をしないで普通の生活をしていた場合に1年ごとに減っていく量と同じです。たった2日だけ寝たきり状態のような生活をしただけで、高齢者の1年分の筋肉量の減少と同じような状態になってしまうのです。
骨折や捻挫をして足を固定して動かないようにされると、筋肉量が大きく減っていくということがあるのですが、これと同じことが全身で起こったら、筋肉が消費するエネルギー量も減っていきます。1日に使うエネルギー量のうち、70%ほどは基礎代謝で、そのうちに35〜38%は筋肉が消費しています。この差は筋肉の割合が関係していて、筋肉量が服ないほど消費エネルギー量は減っていきます。全身で使われるエネルギー量の4分の1ほどは筋肉が消費しているので、筋肉が減ったら、脂肪の減少も低下していくことになります。
ダイエットによって体重が1kg減ったとすると、もともとの筋肉量にもよるものの、運動をした場合には筋肉は減らずに脂肪だけが減ることになります。それに対して、運動をしなかった場合には脂肪3に対して筋肉1の割合で減っていきます。そして、また食べ過ぎ、運動不足で1kgの体重増加があったときには増えているのは脂肪だけです。その結果として体重は同じであっても、筋肉は減っているのでエネルギー代謝は低下しています。これを繰り返していると、だんだんと太りやすく、やせにくい状態になっていきます。
ということから、リバウンドは体重が元に戻ることではなくて、筋肉量が減って以前に比べると太りやすく、やせにくくなったことを指しているのです。だから、以前と同じダイエット法では通じにくくなっているということを知ってもらいたいのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)