身体の体脂肪は主に腸の周りに蓄積される内臓脂肪と、皮膚の下に蓄積される皮下脂肪に分けられます。脂肪が増えて、腹部の脂肪が多く蓄積されるのは内臓脂肪で、主に腹部や臀部・両脚などに蓄積されるのが皮下脂肪とされていますが、違っているのは場所だけではありません。蓄積の順番が違っていて、それがダイエットの成功、失敗にもつながっています。
体脂肪が増えてくると最初に多く蓄積されるのが内臓脂肪で、ある程度の蓄積がされた後に、皮下脂肪として蓄積されます。そして、体脂肪が減っていくときには、初めに内臓脂肪が減り、続いて皮下脂肪が減るという順番になっています。
その蓄積の順番は、預金や貯金にたとえられます。貯金はゆうちょ銀行だけに使われる用語で、それ以外の銀行は預金と呼ばれます。普通預金に相当するのが内臓脂肪で、定期預金に相当するのが皮下脂肪です。
体脂肪が増えてくると、初めに蓄積されるのは内臓脂肪のほうです。ある程度の蓄積のあとに皮下脂肪に蓄積されるようになります。皮下脂肪に多くの体脂肪が蓄積されるのは、内臓脂肪にかなりの体脂肪が蓄積された後になります。
皮下脂肪に体脂肪が蓄積されて、つまめるような状態になったら、ダイエットによって体脂肪を減らそうとして食事を減らすか運動を増やすようにするわけですが、すぐに皮下脂肪は減ってはくれません。というのは、皮下脂肪は内臓脂肪が減った後でないと減らない仕組みになっているからです。
定期預金がたくさんあるときには、お金が必要になったときに、いきなり定期預金を取り崩すようなことはありません。普通預金のほうを使い、それで足りなくなったときに初めて定期預金を取り崩すようにします。それと同じように、内臓脂肪が減らないことには、皮下脂肪は減ってはくれないのです。
気になる皮下脂肪が減らないからといって、無理なダイエットをするのではなく、食事を減らすことや運動によって効果が出やすい内臓脂肪を先に減らして、徐々に皮下脂肪が減ってくるのを待つというのが体脂肪の仕組みに合ったダイエット法ということです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)