ダイエット法がうまくいって、体脂肪が減ってきているのに、失敗ダイエットだと勘違いをして、途中でやめてしまう人もいます。なぜ勘違いしたのかというと、体脂肪が減るどころか増えてしまったと感じさせる変化が身体で起こるからです。
体脂肪は脂肪細胞の中に蓄積された中性脂肪のことで、初めに蓄積されるのは腸の周りにある内臓脂肪です。脂肪細胞は風船のようなもので、その中に大切なエネルギー源である中性脂肪が入ってくると、脂肪細胞を膨らませて、できるだけ多くの量を取り込もうとします。脂肪細胞に取り込める量には限界があるので、限界が近づくと二つの反応が起こります。一つは脂肪細胞の数を増やすことで、もう一つは別のところに蓄積することです。その別のところというのが皮下脂肪です。
腹部の皮下脂肪が多くなっているときには、内臓脂肪も多くなっているので、風船に空気を多く入れたのと同じように、内側からの圧力で張った状態になっています。この状態では、内臓脂肪と皮下脂肪が多くても、外からつまみにくくなっています。
ダイエットがうまくいったときには、先に内臓脂肪が減り、そのあとに皮下脂肪が減っていきます。これはパンパンに張った風船から徐々に空気を抜いていくのと同じような状態で、内側からの圧力が弱まって外からつまめるようになります。これは内臓脂肪が減ってきたということですが、つまめるようになったことを皮下脂肪が増えてしまったためだと勘違いをしやすいのです。
そして、うまくいっているダイエット法を中断すると、また体脂肪が増えていくことになります。これがリバウンドの原因にもなりかねないだけに、体脂肪の増え方と減り方の順番、減ってきたときの皮下脂肪の状態を知って、間違いがないようにしないといけない、ということを講習などで伝えています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)