中年の女性の体型というと下腹部に体脂肪が蓄積されることを思い浮かべるかもしれません。体脂肪は内臓脂肪と皮下脂肪に分けられていて、一般には男性は内臓脂肪が多いために腹部から太り、女性は皮下脂肪が多いために臀部や大腿部から太るというような印象があります。ところが、女性も体脂肪が多く蓄積されると内臓脂肪が多くなり、この傾向は50代以降で顕著になります。
内臓脂肪が多くなると、皮下脂肪が多くなるという原則があり、これは男性型と同じような太り方をした女性でも同じことです。しかし、臀部や大腿部の皮下脂肪の蓄積量にも限界があって、それ以上の脂肪(中性脂肪)は、これまでとは違ったところに蓄積されるようになります。その場所は背中の上側です。ここに脂肪が蓄積されてきて、上体が大きくなってきたように見えるのは、中年女性の特徴ともされています。
背中の上側に脂肪が多く蓄積されるのは、腹部に体脂肪があまりに多く蓄積されると妊娠に関わる臓器が圧迫されて、影響が出てくるからです。そのため、まだ妊娠可能な年齢では背中の上側に皮下脂肪が多く蓄積されるようになるのです。そして、年齢を重ねて閉経となり、それから期間を経ると、今度は下腹部の内臓脂肪が多くなっていきます。
背中の皮下脂肪の数は、若いときには増えにくく、太ったとしても皮下脂肪が大きく増えることはありません。ところが、年齢を重ねて背中の皮下脂肪が増えるようになると、一つひとつの皮下脂肪には蓄積量に限界があるので、脂肪細胞の数を増やして多く蓄積できるようになっていきます。増えた皮下脂肪の数は減ることはなくて、数が多くなれば、それだけ多くの脂肪を蓄積することができることになるので、背中の上側の皮下脂肪の量を全体的に減らすことができにくくなっているのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)