女性は太り始めると、まずは内臓脂肪が蓄積されて腹部が膨らみ、続いて下半身の皮下脂肪が増えるようになります。これは内臓脂肪がある程度増えてくると、皮下脂肪の中性脂肪が増えていくようになるからです。内臓脂肪は、すぐに脂肪細胞から出し入れがしやすい脂肪で、満杯になると次に中性脂肪が入ってきても蓄積しにくくなるので、余裕を作るために皮下脂肪のほうを増やして対応しているのです。
内臓脂肪が多く蓄積されても、これを減らそうとしない人がいます。過剰な内臓脂肪は生活習慣病の原因だと指摘されても、美容的なことは諦めたからダイエットをしなくてもよい、と口に出す人もいます。しかし、内臓脂肪を蓄積したままにしておくのは、実に勿体(もったい)ないと感じています。
ひらがなで「もったいない」と書くと日本的な意味ですが、「モッタイナイ」とカタカナで書いたり、「MOTTAINAI」と英文字で書くと環境問題を解決するための国際的な合言葉となります。まだ使えるものを捨てたり、そのまま放置しておくことはモッタイナイことで、リユース(再使用)してこそ価値があるという考えです。
内臓脂肪は運動をしたり、日常の活動量を増やせば、すぐに脂肪酸に分解されて血液中に放出され、筋肉細胞をはじめとした全身の細胞でエネルギー化されていきます。いわゆるエネルギー代謝で、細胞の中のミトコンドリアで作り出されたエネルギーは身体や脳、神経などを働かせる、まさにエネルギー源となります。
全身の機能を正常に働かせて、健康を維持するためのエネルギー源を内臓脂肪として蓄積したままにしておくのは勿体ないことで、多くのエネルギーを作り出すために、せっかく溜め込んだエネルギー源の中性脂肪なので、メディカルダイエットの手法で効果的にエネルギー化してほしいと考えているのです。
私のようにBMIが20.5(標準は22)という状態では、体脂肪の蓄積が少ないので、急に大きなエネルギーを作り出さなければならないことに直面すると、多くのエネルギー源を食べて摂らなければならないので大変です。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)